絵を描いていると、不思議な事がたくさん起こります。
自然と一体になるのでしょうか?
私はよく野山に出かけてデッサンをしているので、野生の生きものたちに出逢います。
春、うぐいすが、山藤の蔓棚からこちらを伺い、そのうちだんだん、いい声で鳴きだします。
とても楽しそうです。私の存在など、もう忘れている様です。
普段うぐいすはその姿を人に見せないといいますが、すぐそばで飛び交い、唄い続けます。
え~まだ唄うの? もう一時間もです。
こんなにそばで聴かせてくれて、ありがとう。
絵には、その時の空気がいっぱい入ります。
その空気が見る方と共鳴するようで、それぞれにご縁のある方の元へ、絵は嫁いでいきます。
夜、眠りにつき夢を見ると、大好きな画家たちに逢いに行けると思っていた子供の頃。
大人になって20歳を過ぎた時、いつも優しい父が、
「奈津子は、この世の美しいものを描いて生きてゆけ」と言ったあの日以来、
そんなことが私に出来るのだろうかと自問の日々ですが、
いつも心をなぐさめてくれたラモーの歌曲の様に、
悲しみの心、喜びの時にそっとそばにあり続ける絵でありたいと願って、
これからも想いを筆に託します。
藤井奈津子
大分県出身 | |
1999年~ | フランス パリにて フレデリック マチュウ氏のアトリエに入り絵画の研鑽を積む |
2003年~ | 大分・東京他において作品展を開催 大分県湯布院町在住 |